就労継続支援は、手帳なしでも受けられる?

自立・就労

就労継続支援は、手帳なしでも受けられる?

先日、「就労移行支援」の利用条件等についての記事を書きました。


障害福祉サービスとしての就労支援には、「就労移行支援」のほかに「就労継続支援」というものがありますが、実は私、「就労継続支援」は手帳なしでも受けられるのかについては、気になりつつも、今まで理解していませんでした。

その点についても調べてみたので、今回は「就労継続支援」の利用条件等についてまとめてみます。

就労継続支援とは。


「就労継続支援」は、障害や病気のために一般企業や事業所での就労が困難な人々を対象とした障害福祉サービスで、はたらく場を提供するとともに、知識・能力の向上のために必要な訓練を行います。




就労継続支援には、雇用契約を結んで利用する「就労継続支援A型」と雇用契約を結ばずに利用する「就労継続支援B型」があります。

【参考】



「就労移行支援」は一般就職に向けたトレーニングや就職自体の支援で、期限制限(原則2年)があり、賃金は基本的に発生しないのに対し、「就労継続支援」は就労の機会提供という特色が強い福祉サービスで、期限制限がなく、賃金も発生します。

【参考】



令和2年度の平均賃金(工賃)は、A型事業所で月額79,625円、B型事業所で月額15,776円です。

【出典】厚生労働省『障害者の就労支援対策の状況』https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/shurou.html


令和元年のサービス利用終了者に占める一般就労への移行者の割合(移行率)を見ると、就労移行支援の移行率は5割を超えていて徐々に上昇しているのに対し、就労継続支援A型は25.1%、就労継続支援B型は13.2%と横ばいや低下傾向にあり、一般就労への移行というにおいては課題もあるようです。(就労継続支援事業所が生涯の就労の場となるケースも多いようです。)

【出典】厚生労働省『障害福祉サービスからの就職者について』

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000760686.pdf



利用条件


就労継続支援A型・B型を利用するために必要となるものは「障害福祉サービス受給者証(通称:受給者証)」です。

そのため、障害者手帳が利用に必須という訳ではありません。

手帳を持っていない場合も、「主治医の診断書」や「自立支援医療受給者証」があれば、就労継続支援の利用申請ができます。

就労継続支援A型の利用条件

A型事業所の利用対象者は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害含む)、難病などにより一般企業での就労は困難であるものの、適切な支援があれば雇用契約に基づく就労が可能な人です。


具体的には、下記のような人が利用できます。

  • 就労移行支援事業を利用しても、企業での就労に結びつかなかった人
  • 特別支援学校を卒業して就職活動を行っても、企業での就労に結びつかなかった人
  • 就労経験のある方で、現に企業等との雇用関係がない人

※原則18歳以上65歳未満の人。(ただし、所定の条件を満たす場合は65歳以上の方も利用可能)



【参考】



就労継続支援B型の利用条件


B型事業所の利用対象者は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害含む)、難病により一般企業での就労と雇用契約を結んでの就労が困難な方です。

具体的には、下記のような人が利用できます。


  • 企業や就労継続支援A型事業所での就労経験がある方で、年齢や体力面で雇用されることが困難となった人
  • 50歳に達している方または障害基礎年金1級を受給している人
  • 1及び2に該当しない方で、就労移行支援事業者等により就労面に係る課題等の把握が行われている人

※B型事業所の利用には年齢制限がないので、高齢者も利用可。


【参考】




リタリコさんの勉強会で、講師の方が、知的障害がない発達障害の方も就労継続支援B型を利用していて、知的障害の有無とA型かB型かはあまり関係がないと感じた、とおっしゃっていたことが印象に残っています。

(知的障害がなくてもB型で働いている人がたくさんいるというのが現実なんだな、と感じました。)


おわりに


就労継続支援A型・B型の利用条件等についてでした。



以上のように、就労継続支援A型・B型についても、障害者手帳を持っていなくても、受給者証を取得できれば、利用することは可能です。

働く意欲さえあれば、就労の場を得ることができるような制度設計になっているようです。









就労継続支援は、賃金や一般就労への移行という点においては課題が多いのが実情ですが、障害等で一般就労が難しい方にとっては、重要な就労の場となっています。

発達障害の子を育てる親として、制度については知っておく必要があると思いました。




長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました。



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