言語力・読解力を伸ばすことを意識した、絵本読み聞かせ実例~『そらまめくんのベッド』編

知育・療育

言語力を伸ばす絵本の読み聞かせ方法

我が家では、娘が3~5歳の頃を中心に、言語力・読解力等、発達を促すことを意識した絵本の読み聞かせに取り組んでいました。

具体的にどのように読み聞かせをしているかについて、今回は、なかやみわさんの『そらまめくんのベッド』の事例をご紹介します。

なお、この読み聞かせ方が正しいというわけではなく、あくまでも我が家はこんな風に考えて、こんな風に読み聞かせをしているよ、という事例になります。

この読み聞かせ方が合わない子もいるかと思いますので、その点はご了解下さい。

読み聞かせ実例~『そらまめくんのベッド』編

『そらまめくんのベッド』のあらすじ

今回事例として取り上げる、『そらまめくんのベッド』。

まずは簡単にあらすじをご紹介します。(ネタバレ注意!)

そらまめくんは、自分のふわふわベッドがお気に入り。

ぐりんぴーすの兄弟や、さやえんどうさんなど、友達に「貸して」と言われても、「宝物だから」と貸してあげません。

そんなある日、そらまめくんのベッドが突然なくなってしまいます。

探しても探しても見つからない、ベッド。とっても悲しそうなそらまめくん。

最初は「ベッドを独り占めしたバツだよ」と知らんぷりしていた友達も、そらまめくんがかわいそうになってきて、自分たちのベッドを貸してあげることに…。
でもやっぱり、あのベッドじゃないとダメなんです。

そんな中、そらまめくんは、ついにベッドを発見。
なんと、うずらが、そらまめくんのベッドで卵を温めているではありませんか。

殻を割って、産まれようとする、雛。

頑張れ~と応援するそらまめくん。

そしてついに雛が誕生し、お母さんの後をヨチヨチついていきました。

自分のベッドが役に立って、嬉しそうなそらまめくん。

お友達は、ベッドが見つかったお祝いのパーティーを開いてくれました。

そしてその夜、そらまめくんはお友達を自分のベッドに招待し、みんなで眠りましたとさ…。

以上が、あらすじです。

『そらまめくんのベッド』の良いところ

なぜこの絵本を取り上げたかと言うと、発達を促す読み聞かせに適した絵本だからです。

まず、起承転結がはっきりしています。

ストーリー性があり、起承転結が分かりやすいお話は、子どもの読解力を促します。

また、怒ったり、悲しんだり、哀れんだり、喜んだり…と、登場人物の気持ちの変化が分かりやすい点も非常に良いです。

自閉症児は相手の気持ちを想像することが苦手とされているため、絵本を通して登場人物の気持ちを想像させることは、良いコミュニケーション・トレーニングにつながると思います。

読み聞かせ例

以上を踏まえて、具体的な読み聞かせ方の例をご紹介します。

最初は、一通り読み聞かせをします。

そして、話の理解を促すために、2回目からは適度に問いかけをしながら読んでいきます。

例えば、最初の場面では、そらまめくんのベッドはどんなベッドなの?などと聞いてみます。

「ふわふわベッド!」

と答えてもらえれば良いですね。

簡単な問いではありますが、ちゃんと「聞く」ことができているか確認できます。

発達障害の子にとって、「聞く」力を伸ばすことは非常に重要です。

そして、お友達にベッドを貸してあげない場面では、

「そらまめくんは、ベッドを貸してあげたの?」

と聞いてみます。

話を理解しているかの確認です。

もし答えられなかったら、もう一度該当箇所を読んで、理解を促します。

そして、
「えだまめくんたち(お友達)は、どんな顔してる?」

なんて聞いてみます。

「怒った顔!」

となりますね。

表情から気持ちを読み取る練習で、こちらの本でもご紹介されていました。

表情読み取りができる子には、

「お友達は、どんな気持ちかな?」

と聞いてみるとレベルアップになります。

また、さらに理解力が進めば、

「どうしてお友達は怒っているのかな?」

という問いかけをするのも良いと思います。

答えは、そらまめくんがベッドを貸してくれないからです。

4歳4ヶ月時点では、娘はこのような「なぜ~?」という質問にまだ答えられませんでした。

「怒っているから」

という答えになってしまっていました。

その後、本人の成長に応じて、「なぜ~?」という問いかけを増やしていきましたよ。

いろいろ書きましたが、1ページごとに問いかけをし過ぎると子どももウンザリするでしょうから、毎回少しずつ、子どもがストレスを感じない程度に聞いていくのがポイントです。

ベッドがなくなった場面でも、同じような問いかけができます。

ベッドはどうなっちゃったの?とか。

一見簡単な問いかけですが、自分の言葉で説明させることに意味があると思います。

また、そらまめくんはどんな気持ち?

友達は探してくれたの?

などなど…。

ベッドが見つかった場面でも、最後のシーンでも、同じような問いかけができますね。

誰が使っていたの?

そらまめくんはどんな気持ち?

そらまめくんはベッドを貸してあげたの?

みんなどんな気持ちかな?

あなたはお友達に宝物を貸してって言われたらどうする?

などなどなど…。

最後は、「どんなお話だった?」と聞いて話を要約させると、ワーキングメモリを鍛える=発達障害を改善するのに効果があると、下記の本で書かれていました。

このように、『そらまめくんのベッド』を通して、様々な問いかけをし、理解を促したり、言語力・コミュニケーション能力を伸ばしたりできると考えています。

ここまでストーリーや登場人物の気持ちの変化が分かりやすく、問いかけがたくさんできる絵本はなかなかないので、本当に素晴らしい絵本だと思います。

まとめ

本日は、我が家で取り組んでいる言語力や読解力を伸ばすことを意識した読み聞かせについて、『そらまめくんのベッド』の事例をご紹介しました。

普通に読み聞かせをするだけでは、子どもはお話を十分に理解しないままでいるかもしれません。

発達に遅れや特性がある子ならなおさら、話を理解しているか確認することや、理解を促す言葉かけは必要になってくるのではないかと感じています。

しかしながら、繰り返しになりますが、この読み聞かせが合わない子もいると思います。

問いかけばかりした結果、読み聞かせを嫌がるようになってしまったら本末転倒です。

ですので、子どもが楽しんでくれる範囲で取り組むことがとても重要になってくると思います。

もちろん、親も疲れない範囲で。

1日1回でも2日に1回でも、さりげなく問いかけができたらOK!くらいの気持ちでいると良いのではないかと思います。

以上、絵本の読み聞かせ実例についてでした!

長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました^^

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