診断を受けるまでの振り返り、3歳編(後編)です。
3歳半で受けた、K式発達検査
発達検査を受ける日になりました。
その頃になると、絵本やDVDのセリフなどの独り言が多かったり、同じことを何度も何度も何度も聞いてきたりと特徴的な症状が(エコラリア)が出ていたので、もう発達障害なのだろうと覚悟を決めて臨みました。
受けたのは、K式発達検査でした。
K式発達検査は、姿勢・運動、認知・適応、言語・社会、の3つの領域から課題が出されます。
(3歳以上では、特に認知・適応、言語・社会面に重点がおかれます。)
積み木など子どもにとってなじみのある道具を使うので、子どもにとっては遊びと感じられ、自然な行動を観察しやすい検査と言われています。
実際の検査でも、心理士さんが積み木やカード、カップなど小道具を使ってテンポ良く、次々と課題を出し、いち子が答えていくというスタイルでした。
私は近くの椅子に座って見守っていました。
認知・適応の内容(一部)
認知適応の分野では、下記のような課題が出されました。(検査内容の一例です)
・【積み木の積み上げ】
積み木8個を積む
→できた
・【積み木の模倣】
心理士さんが積み木で作ったトラックと同じ物を作る
→好きなように積んでしまい、不通過
・【描画】
線は引けるが、十字、丸は描けず、グチャグチャと好きなように描いてしまう。
・【入れ子】
大きさの異なる緑色のカップ3個と黄色のカップ3個を全て重ねて片付ける課題
etc
言語・社会の内容(一部)
言語・社会の分野では、下記のような課題が出題されました。(検査内容の一例です)
・【絵・色の名称】
全て答えることができた。
・【表情理解】
様々な表情が描かれたイラストを見せ、「怒った顔はどれ?」と聞いて指差しさせる。
喜んでいる顔のみ正解、怒っている顔、悲しんでいる顔は答えられなかった
(自信がなく、答えなかったと思われる)
・【数の復唱】
二桁までは正解、三桁は答えられず
※ここらへんから、集中力が完全に切れてフラフラと動き回り始める
(呼びかけると着席は可能だが、まともに検査に臨めていない状況)
・【了解】
「雨が降ったらどうする?」といった質問
→答えられず
姿勢・運動の内容
姿勢・運動の検査は、主に聞き取りで行われ、階段の上り下りやジャンプはその場でやるように指示がありました。
→階段上り下りはありはできたものの、両足ジャンプ、高さのあるところからのジャンプはできず。
試験の内容については、以上です。
結果と診断、主治医とのやりとり
以上が、娘が3歳半で受けたK式発達検査の内容(一部)と結果です。
この検査をもとに出された発達指数は、下記のとおりでした。
●認知・適応 約1年半遅れ
●言語・社会 約半年遅れ
●姿勢・運動 約1年半遅れ
★全領域 約1年遅れ(発達指数69)
認知・適応は、1年半遅れと、かなり厳しい数値が出ました。
ただ、これに関しては、(できるはずなのに)指示の意図を読み取れずに不正解になった問題も多く、特性が数値を押し下げた面はあるのではないかと感じました。
とはいえ、そこも含めての実力です。
言語・社会は、後半は集中力が切れてまともに臨めなかった面はあるとはいえ、実力相応の数値ではないかと感じました。
姿勢・運動も実力相応かなぁ…と。
主治医の先生からは、
「知識の習得や、パターンで覚えることは得意だが、意図を読み取る力が弱い」と言われ、
「力はある子だから、意図を読み取る力が伸びれば、発達指数は中心に寄ってくると思いますけどね」
とのお話がありました。
私は、このとき発達指数というものを理解しておらず、
「知的な遅れもあるんですか」
と尋ねました。
「知的な面も含めた遅れです」
と言われました。
「発達障害なんでしょうか」
と尋ねたところ、
「分かりやすく言うと自閉症スペクトラムです。ただ、あくまでも自閉症スペクトラムという特性であって、そのような特性があるからと言ってただちに障害になるわけではありません。社会的に困難が出てきた時に、支援をするために障害の診断をするんです。」
というような説明を長々とされました。
やはりそのときは、放心状態だったこともありイマイチ理解ができず、結局障害なのか何なのか、診断をされたのかどうかよく分からないまま説明は終わってしまいました。
でも、後から分かったのですが、結局はこの日のうちに、「自閉症スペクトラム障害」「軽度知的障害」の診断が出ていたのです。
診断を受けないと、療育を受けれませんもんね…。(うちの自治体の場合)
親がショックを受けないようにするための配慮として、最初はボンヤリとした説明に留めることにしているのかもしれませんが、ちょっと分かりにくいなぁと思いました。
このように、娘の場合、3歳半で受けた発達検査でアッサリと発達障害の診断を受けることになったのでした。
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